「大幅利上げの期待が必要に」FX高金利通貨レポート
今週(10/4-8)のペソ/円相場は3か月半ぶり安値でひとまず下げ止まる展開。日経平均株価が12年ぶりに8日続落となった6日に一時5.336円前後まで下落して6月21日以来の安値を付けたが、その後は持ち直した。米債務上限が12月まで短期的に引き上げられる見通しとなった事で、市場センチメントが改善。7日には5.423円前後まで反発した。ただ、その後は米テーパリング(量的緩和の段階的な縮小)観測でドル高・ペソ安に振れやすかった半面、ドル/円の上昇が下値を支えため、ペソ/円は5.400円を挟んでもみ合った。
なお、7日に発表されたメキシコ9月消費者物価指数(CPI)は前年比+6.00%と、メキシコ中銀のインフレ目標(2-4%)の上限を大きく超えて伸びが加速した(前月+5.59%)。メキシコ中銀は、これまで3会合連続で25bps(0.25%)の利上げを行ってきたが、一段の引き締めが必要な情勢であり、11月11日の次回会合でも追加利上げに動く公算が大きい。ただ、足元ではインフレの高進に政策金利の引き上げが追い付いておらず、政策金利からインフレ率を差し引いた「実質政策金利」はマイナス幅が拡大している。10月CPI (11月9日)の結果にもよるが、50bps(0.50%)以上の大幅な利上げへの期待が高まれなければリラの追い風にはなりにくいだろう。