研究員レポート

「対ドルで過去最安値を更新」FX高金利通貨レポート

今週(10/4-8)のリラ/円相場は12.50円を挟んだ下値もみ合いの展開となった。トルコ中銀の予想外の利下げを受けて付けた12.399円前後の9月安値を割り込む事はなかったが、安値圏で上値の重い推移が続いている。8日にはエルドアン大統領が中銀のカブジュオール総裁を更迭するのではないかとの観測が広がり、対ドルで過去最安値を更新したが、対円では、ドル高・円安の影響で下げ渋った。

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トルコリラ/円は、1)昨年11月に付けた12.012円前後(過去最安値)、2)今年6月に付けた12.229円前後、3)今年9月24日に付けた12.339円前後と、僅かずつではあるが下値を切り上げている。テクニカル面では12円台前半が下値支持(サポート)と見られる。

ただし、ファンダメンタルズ面においては懸念材料が多く、リラの下値不安はくすぶり続ける公算が大きい

米邦準備制度理事会(FRB)が11月にもテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)に着手するとの見方を背景にドルが強含んでおり、対ドルでのリラ安基調が継続する可能性がある。

また、トルコ国内にもリラ安に繋がる懸念材料が目立つ。

4日に発表されたトルコの9月消費者物価指数(CPI)は前年比+19.58%に加速。トルコ中銀が重視するコアCPIも前年比+16.98%と前月の+16.76%から伸びが加速した。インフレ高進にもかかわらずエルドアン大統領が利下げ圧力を高める中、中銀が10月21日の金融政策決定会合で追加利下げを強行するようなら、リラ相場に一段の下押し圧力がかかりかねない。一方、8日のロイター報道報道を踏まえると、仮に中銀が利下げを行わなければ中銀総裁更迭の可能性を意識せざるを得なくなるだろう。

トルコ大統領、中銀総裁への信頼失う 4回目の交代も=関係筋(8日、ロイター)
https://jp.reuters.com/article/turkey-cenbank-erdogan-idJPKBN2GY10C