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【FX】「2023年5月RBA理事会を振り返る」中村勉

市場予想外の0.25%利上げを実施した、5月のRBA理事会を振り返ります。

RBAは政策金利を3.85%へと0.25%利上げを実施。

声明文では
「インフレ率はピークを過ぎたが、7%依然として高すぎる」、「合理的な時間内にインフレ率を目標に戻すことの重要性を考慮して金利をさらに上昇させた」と利上げ再開の理由を説明。

インフレ見通しについて、「年内にインフレは4.5%まで鈍化」と予想。「商品価格のインフレは明らかに鈍化しているが、サービス価格の鈍化は依然として非常に高い」、「海外での経験は上振れリスクを示している」としました。
今後については、「今後金利をさらに引き上げる必要になる可能性がある」としましたが、「経済とインフレの展開によって異なる」と示した通り、今後のデータ次第との姿勢を維持しました。

4月26日に発表された豪2023年1-3月期月次CPIでは前年比+7.0%と市場予想(+6.9%)を若干上回ったものの、前回(+7.8%)からインフレのペースが減速していました。また豪3月月次CPIも、+6.3%と市場予想(+6.5%)や前回(+6.8%)から減速。RBAが金利を据え置いた前月よりもインフレが減速していたことを受けて、市場は今回の理事会での利上げ再開を全く織り込んでいませんでした。そのため、豪ドル/円は利上げ発表直後に約1円上昇しました。

次回のRBA理事会は2023年6月6日となります。
RBAの利上げがいつまで続くかを占う上でも、今後の豪州の雇用、インフレ、消費といった経済指標に注目していきたいと思います。

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