【FX】「見た目ほどは、悪くない?2022年7月豪雇用統計の結果と評価」中村勉
予想外の結果となった7月豪雇用統計を分析しました。
総合の雇用者数は4.09万人減と予想(2.5万人増)を下回ったばかりか、マイナス成長となりました。
内訳をみると正規雇用者数の8.69万人減が目立ちます。
この雇用者数の大幅な減少を受けて豪ドルは指標発表直後には売りで反応しました。
しかし、失業率は3.4%と1978年に豪統計局が月次の失業率を公表開始※1して以来最低(一番良い)記録を更新しました。
これは労働参加率は66.4%と前回(66.8%)から低下した影響もあります。
労働参加率が低下しましたが、66%台という数字は過去最高水準であります。
失業者数は474,000人ですが、6月30日に発表された最新の求人(2022年5月)は480,100人となっており、失業者数よりも求人が多いことも材料視され、指標発表後の豪ドル売りは短期的なものとなりました。
豪雇用統計の結果が見た目ほど悪くなかったことで、市場は豪労働市場の逼迫状況は変わっていないとの判断をしています。
この結果が、次回のRBA理事会(9月6日)での利上げ幅予想に変化を与えることはなく、現時点では0.25%と0.50%利上げの確率は半々となっています。
※1 豪統計局は1978年2月から月次の労働力調査を開始。それ以前は四半期毎の調査でした。
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