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メキシコペソ/円 6.8円台の強力上値抵抗に挑戦

1ペソ=6.8円台を窺う勢い
メキシコペソ/円相場が出直り色を強めている。今月2日には1ペソ=6.369円前後まで下落して約2カ月半ぶりの安値を付けたが、12日には6.733円前後へと切り返した。なお、ペソは対ドルでも堅調に推移。3日には1ドル=20.834ペソ前後まで下落したが、12日には約2カ月ぶりのドル安・ペソ高水準となる19.815ペソ付近まで反発している。ペソ/円は7月後半に下抜けた13週移動平均線を足元で回復しており、8月第1週の調整を経て強力な上値抵抗帯と見られる6.8円台を再び窺う勢いだ。

金融政策は引締めスタンスをいくぶん緩める
メキシコ中銀は8月11日の会合で75bp(0.75%ポイント)の大幅利上げを決め、政策金利を過去最高の8.50%とした。ただし、中銀は次回9月会合では利上げのペースを緩める可能性があることを示唆。政策金利のフォワードガイダンスについて「委員会は政策金利の引き上げを継続する意向で、必要なら同様の強硬策を取ることを検討する」としていた文言を、8月会合では「実勢に基づき、次回の政策決定に向けて政策金利の引き上げ幅を評価する」に修正した。インフレ率(7月8.15%)を上回る水準に、政策金利を引き上げたことで、中銀に様子を見る余裕が生まれたと見られる。次回9月会合での利上げ幅を巡る市場の思惑がペソ相場の値動きを左右しそうだ。次回会合までに発表される8月消費者物価指数(CPI)などの経済指標の結果が注目されよう。

メキシコ経済堅調も米リセッションリスクを警戒
国際通貨基金(IMF)は7月に発表した世界経済見通しの中で、メキシコの2022年の成長率見通しを2.0%から2.4%へと引き上げた。米国や欧州諸国の成長率見通しが、インフレの高進などを背景に軒並み引き下げられたことを考えると、メキシコ経済の堅調ぶりが際立っている。ただ、米国や欧州、中国などで景気後退(リセッション)を巡る懸念が広がりつつある点には注意が必要だろう。産油国かつ自動車輸出国であるメキシコにとって、世界的なリセッションは経済的にマイナス要素が大きい。特に、最大の輸出先である米国がリセッションに陥ればメキシコ経済の大きな痛手となる。ペソ相場の行方を占う上でも米国の景気・物価動向に注目しておきたい。