総研レポート

「3月は雇用17.8万人増も強さに欠ける内容 – 非農業部門雇用者数17.8万人増、失業率4.3%、平均時給37.38ドル」米3月雇用統計レビュー

米労働省が2026年4月3日に発表した3月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数17.8万人増、②失業率4.3%、③平均時給37.38ドル(前月比+0.2%、前年比+3.5%)という内容であった。

①非農業部門雇用者数
3月の非農業部門雇用者数は前月比17.8万人増と市場予想の6.5万人増を上回った。業種別では、前月にストライキの影響などで減少していた医療・ヘルスケア部門の増加が目立った。そのほか、製造業や建設業でも増加に転じた。前2か月分の非農業部門雇用者数が合計で0.7万人下方修正されたことも加味した3カ月平均の雇用者数は6.8万人増に拡大。前月時点では0.3万人増だった。

②失業率
3月の失業率は4.3%と前月の4.4%から低下した。市場予想も4.4%だった。一方で、フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)は前月の7.9%から8.0%に上昇した。労働人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は前月の62.0%から、2021年11月以来の61.9%に低下した。

③平均時給
3月の平均時給(全従業員)は37.38ドルとなり、前月の修正値である37.29ドルから0.09ドル増加して過去最高を更新。ただ、伸び率は前月比+0.2%、前年比+3.5%で、市場予想の+0.3%、+3.7%をそれぞれ下回った。なお、前年比の伸び率は2021年6月以来の低さとなった。

④まとめ
米3月雇用統計はイラン紛争の長期化が懸念される中で発表された。非農業部門雇用者数は大幅に増加したが、前月の減少(13.3万人減)の反動が最大の要因であり、3カ月平均の増加幅は6.8万人にとどまった。失業率の低下についても、労働参加率の低下が主因であり、「改善」とは評価しにくい。平均時給の伸び率が明確に鈍化したことは賃金インフレの圧力低下を示唆している。総じて「見た目」ほどには強くない内容の雇用統計だったと言えるだろう。もっとも、FRBはそうした雇用統計の結果に安堵しているかもしれない。仮に、3月雇用追統計が著しく悪化していればインフレ上昇との板挟みで、金融政策の舵取りは困難な局面に陥る可能性もあった。結果的に、FRBとしては4月も政策金利を現行水準に据え置いた上で、雇用と物価の動向について様子を見る時間ができたことになる。なお、今回の米3月雇用統計に対する市場の反応は、欧米の復活祭休暇中だったこともあって限定的だった。