総研レポート

「1月の労働市場は改善も不安が残る – 非農業部門雇用者数13.0万人増、失業率4.3%、平均時給37.17ドル」米1月雇用統計レビュー

米労働省が2026年2月11日に発表した1月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数13.0万人増、②失業率4.3%、③平均時給37.17ドル(前月比+0.4%、前年比+3.7%)という内容であった。

①非農業部門雇用者数
2026年1月の非農業部門雇用者数は前月比13.0万人増と市場予想の6.5万人増を上回った。業種別では医療関連や社会扶助に加え建設業が伸びた一方、金融や連邦政府で減少が見られた。前2か月分の修正も加味した3カ月平均の雇用者数は7.3万人増となり、前月時点の1.7万人減から大きく改善した。

②失業率
1月の失業率は4.3%と前月の4.4%から低下。市場予想は横ばいの4.4%だった。フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)も前月の8.4%から8.0%に低下した。労働人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は前月の62.4%から62.5%に上昇した。

③平均時給
1月の平均時給(全従業員)は37.17ドルとなり、前月の修正値37.02ドルから0.15ドル増加して過去最高を更新。伸び率は前月比+0.4%で予想の+0.3%を上回った。前年比では+3.7%で予想通りの伸びだった。

④まとめ
2026年に入り、米国の労働市場が停滞を脱した可能性を示す1月雇用統計であったが、細かく見れば一抹の不安が残る内容だった。①非農業部門雇用者の増加が、比較的景気に左右されにくい医療関連や社会扶助などの業種に偏っていたことから、来月以降も同様の増加ペースが続くとは考えにくい点や、②失業率は低下したが、悪天候の影響などもあって家計調査の回答率自体が低かったためにやや信頼性を欠いた点、などが挙げられる。このため、市場の前向きな反応は続かなかったようで、米国株や米ドルは買いが先行したものの、いずれも一巡後に失速した。これ以前に米労働省が発表した別の労働関連統計であるJOLTS(雇用動態調査)では、2025年12月の一時解雇(レイオフ)の増加がごくわずかだった一方、求人件数は5年超ぶりの水準に減少しており、労働市場の停滞が示されていた。それだけに、1月雇用統計の改善だけで米国の労働市場に対する明るい見方は広がりにくかったと考えられる。なお、米1月雇用統計は連邦政府閉鎖の影響で当初の予定より5日遅れて発表された。