研究員レポート

「メキシコペソ 上昇トレンド継続も課題は市場センチメント」FX高金利通貨レポート

【メキシコペソのファンダメンタルズ 原油高止まりと利上げ期待】
メキシコの主要輸出品である原油は価格が高止まりしている。ウクライナ紛争の長期化による供給不安は根強く、NY原油先物(WTI)は今月17日に約2カ月ぶりに115ドル台を付けた。また、メキシコ中銀は12日の会合で8会合連続となる利上げを決め、政策金利を6.50%から7.00%に引き上げた。声明でインフレ圧力を抑制するために「一段の強力な措置が必要になる」可能性があるとの見解を示したほか、政策委員の一人は75bp(0.75%)の利上げを提案したことも明らかになった。これらを背景にメキシコペソは米ドルを上回るペースで上昇。対円では、6年2カ月ぶりに6.50円台へと上昇する場面もあった。

【メキシコペソ/円テクニカル パーフェクトオーダー持続】
週足の連続陽線は9本で5月第2週にストップ。ただ、この週の足は長い下ヒゲが目立つ小陰線で引けた。13週、26週、52週の各移動平均線が上から順に並び、かつ全てが右上がりとなる「パーフェクトオーダー」に崩れはない。当面、上昇トレンドは継続と見てよさそうだ。

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【メキシコペソ当面の注目材料 最大の課題は市場センチメント】
NYダウ平均が1000ドル超下落した18日にはペソ/円も比較的大きく下落した。高金利・新興国通貨のクロス円ペアは市場センチメントの悪化に脆弱なことがあらためて認識できる動きであった。5月中はメキシコ国内に重要なイベント等が少ないだけに、当面は市場センチメントの強弱がペソ相場の焦点となろう。米国では連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気を腰折れさせかねないとの懸念が広がっている。そうした懸念がさらに強まれば、主要国の株価は一層不安定化する可能性がある。メキシコは、輸出の約8割が米国向けを占めるなど、経済面において米国依存度が高いことで知られている。米景気の腰折れはペソ相場の失速につながりかねないだけに注意が必要だろう。