「ペソ/円週足に煮詰まり感」FX高金利通貨レポート
ペソ/円週足に煮詰まり感
メキシコペソ/円は10月20日に5.665円前後まで上昇して昨年2月以来の高値を付けたがその後は伸び悩んでいる。週足の値幅は縮小傾向にあり、相場エネルギーが減退しつつある様子が見て取れる。週足の移動平均線も、短期(13週)、中期(26週)、長期(52週)の各線が5.4-5.5円付近に集まっており「煮詰まり」の様相を示している。
ペソ上昇材料を再点検
これまでペソの上昇を支えてきた主な材料は、①原油高、②メキシコ中銀の引締めスタンス、③リスクオンの市場環境などが挙げられる。
①の原油価格については、産油国の生産能力不足と冬季の需要増加で当面は強含みで推移する公算が大きい。NY原油先物(WTI)は年内に1バレル=90ドルを超えるとの見通しも少なくない。
②のメキシコ中銀に関しては、12月にも追加利上げに動く公算が大きいものの、来年1月に総裁に就任するエレラ財務公債相がハト派と目されており、利上げスタンスの継続には不透明感がくすぶっている。
③の市場環境についても、米国をはじめ先進国の中央銀行がコロナ対応で講じた金融緩和の巻き戻しに着手する中、これまでのようなペースで株価の上昇が続くかは不透明であろう。
今後の見通し
上記②と③の不透明感が、足元のペソの上値の重さに繋がっていると考えられる。米国で連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が再浮上する中、ドルの先高観が強まっているだけに、対ドルでのペソ安には警戒が必要だろう。なお、メキシコ中銀が民間金融機関等の経済予測を集計して今月1日に公表したペソ相場の見通しによると、今年末に1ドル=20.38ペソへと小幅に上昇するものの、来年末には21.04ペソへと3%程度下落するとのシナリオが示されている。
「メキシコ経済は今年高インフレ・高成長、ただし来年は鈍化」知っトク!メキシコペソ 2021年11月8日
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