総研ブログ

【FX】「日米金利差とドル/円の動きに変化が」中村勉

下のグラフは過去1年間の「日米長期金利の利回りの差」とドル円の動きをチャートにしたものです

赤い点線(6月14日)までは
日米長期金利の差が開くとドル円は上昇と大体同じような動き、いわば正の相関性があると言えました。
ところが6月14日を境に相関性は見れなくなりました。

では、6月14日以降何が起こっているのでしょうか?
簡単に追っていきたいと思います。
・6月15日 FRBは市場予想の0.50%を上回る0.75%の利上げを実施
・7月13日 米CPI 前年比+9.1% 市場では8月のFOMCで1%利上げの可能性を織り込む(その後、後退)

米国の利上げペースは減速するどころか、むしろ加速しているといっても良いでしょう。
それでも、金利差は拡大していません。
一方で、日本の長期金利は日銀が0.25%以上にならないように無制限の指値オペを行っているため、大きく上昇することはありません。
ということは、米国の長期金利が上がっていないことが、金利差が拡大しない理由となります。

なぜでしょうか?
それは、主要国の中で日本を除く各国が、急伸するインフレを抑えるために急激に金利を引き上げているから。それにより世界的に経済が冷え込み、早ければ来年(2023年)早々にも利下げを開始する国が出てくる(インフレの抑え込みに成功すれば)との観測が台頭しているからです。

現時点では米国をはじめ、利上げサイクル継続中です。
なので、円が大きく買い戻される可能性は低いと思います。
ですが、先を見ると円安が今後も続く可能性は下がってきていると考えて良いと思います。

わたし中村のTwitterアカウントはこちらです。
為替情報をタイムリーにつぶやいています。