総研ブログ

14日のドル円相場ときょうのひとこと(6/17月)

日銀発の円安をフランス発の政治リスクが抑制 フレグジットを煽る危険な賭けが円キャリー手仕舞いを誘発する可能性も

———–6/14ドル円相場————————–

日銀の買入減額先送りで1カ月半ぶりに158.257まで上昇もフランス・リスクで上げ幅縮小

OP156.965 HI158.257  LO156.760 CL157.395

———-6/14主な出来事—————————-

12:23 日銀、政策金利を0-0.10%に維持
「国債買い入れは、次回金融政策決定会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定」

15:30 植田日銀総裁
・国債買い入れ減額について
「市場の安定や柔軟性にも配慮しつつ予見可能性の確保が重要」
「国債買い入れ減額は相応の規模になる」
「7月会合、国債買い入れ減額の市場への影響を考慮したうえで政策決定」
「国債買い入れ減額、市場参加者の意見も聞いて丁寧に進めたい」

・円安について
「最近の円安の動きは物価の上振れ要因であり注視している」
「このところの円安含め、輸入物価に再上昇の気配」

・利上げについて
「7月以降の短期金利の調節方針、経済・物価情勢に応じて粛々と決定していく」
「7月会合、データや情報次第で緩和度合い調整もあり得る」
「7月会合までの情報次第で短期金利の引き上げは当然あり得る」

—- ルメール仏財務相
「左派の政策は完全に狂気だ。格下げと大量の失業、EU離脱を保証するものだろう」
「右派が総選挙で勝利すれば金融危機のリスクに直面する」

18:00 ユーロ 4月貿易収支 +194億ユーロ
前回+173億ユーロ(172億ユーロ)
予想+175億ユーロ

21:30 アメリカ5月輸入物価指数(前月比)  -0.4%
前回+0.9%
予想+0.1%

23:00 アメリカ6月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値  65.6
前回69.1
予想72.0
23:00 アメリカ6月ミシガン大学消費者1年先インフレ期待 3.3%
前回3.3%
予想3.2%
23:00 アメリカ6月ミシガン大学消費者5-10年インフレ期待 3.1%
前回3.0%
予想3.0%

———-6/14株式・債券・商品———————-

日経平均 38814.56△94.09
豪ASX  7724.258▼25.472
上海総合 3032.633△3.714
英FT   8146.86▼16.81
独DAX  18002.02▼263.66
NYダウ  38589.16▼57.94

日10年債利回り 0.944%▼0.031
豪10年債利回り 4.124%▼0.066
英10年債利回り 4.056%▼0.068
独10年債利回り 2.360%▼0.110
米02年債利回り 4.7044%△0.0075
米10年債利回り 4.2209%▼0.0233

NY原油 78.45▼0.17
NY金  2349.10△31.10

———–6/17注目材料—————————–—

<国内>
なし
<海外>
11:00  5月中国鉱工業生産
11:00  5月中国小売売上高
17:00  レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
18:00  ラガルドECB総裁、講演
20:30  デギンドスECB副総裁、講演
21:15  5月カナダ住宅着工件数
21:30  4月対カナダ証券投資
21:30  6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:15  マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
25:00  ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
26:00  ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

———–6/17きょうのひとこと———————-

日銀は国債買い入れの減額を次回7月に先送り。観測報道で減額の見通しが伝えられていただけに今回も円売りを誘発してしまいました。ただ、植田総裁は減額が「相応な規模になる」と発言。7月の追加利上げの可能性も示すなど、タカ派寄りの会見を行いました。もっとも、総裁発言以上に円安を抑えたのはフランスの政治リスクでした。マクロン仏大統領の中道連合は、極右や左派にも支持率で大差を付けられていて、今月末から来月初めの総選挙では苦戦が必至の情勢です。ルメール仏財務相はEU離脱や金融危機を引き合いに出して国民の危機感を煽ることで、右派や左派への投票を抑える危険な賭けに出ているようですが、これだと市場はブレグジットならぬフレグジットを意識せざるを得ません。フランス株やフランス国債の下落を横目に、円キャリー取引の手仕舞いが活発化する可能性を考えておく必要がありそうです。

本日もよろしくお願いします。