総研ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(12/21 水)

予想外のYCC修正に衝撃の市場反応 黒田総裁の「終活」か?

————-12/20ドル円相場————————

日銀YCC修正で円急騰。市場は「事実上の利上げ」と判断して130.577まで大幅下落。

OP136.746 HI137.477  LO130.577 CL131.705

———-12/20主な出来事—————————

09:30 RBA議事録
(12月の25bp利上げについて)50bpや据え置きなといくつかの選択肢を検討」

11:48 鈴木財務相
「日銀との共同声明、改定の方針固めた事実はない」

12:01 日銀、金融政策の現状維持を決定
「YCCの長期金利変動幅を25bpから50bpに拡大」

15:30 黒田日銀総裁
「YCCの運用見直し、利上げではない」
「今回の措置は市場機能改善でYCC起点とする緩和効果が円滑に発揮するため」
「YCCの運用見直し、撤廃や出口では全くない」
「さらなる変動幅拡大は必要ないし、今のところ考えていない」
「YCCや量的・質的緩和を見直すことは当面考えられない」
「これまでのように金利どんどん上がること考え難い」
「許容上限の再引き上げに向けた催促相場の可能性、ないとは言えないが内外の物価・金融資本市場動向による」
「政府・日銀の共同声明、見直すつもりはない」
「本日の措置、景気にマイナスにならないし引き締めでもない」

16:00 ドイツ11月生産者物価指数(前月比) -3.9%
前回-4.2%
予想-2.5%

17:58 鈴木財務相
「日銀の緩和修正は、金融緩和の持続性を高める」
「金融政策は日銀の独立性に委ねる」

18:00 ユーロ10月経常収支 -4億ユーロ
前回-81億ユーロ

18:41 神田財務官
「為替はファンダメンタルズを反映し安定的推移が望ましい」
「為替市場、引き続きしっかりと注視したい」

22:30 カナダ10月小売売上高(前月比) +1.4%
前回-0.5%(-0.6%)
予想+1.5%

22:30 アメリカ11月住宅着工件数(年率換算) 142.7万件
前回142.5万件(143.4万件)
予想140.0万件
22:30 アメリカ11月建設許可件数(年率換算) 134.2万件
前回152.6万件(151.2万件)
予想148.5万件

24:00 ユーロ圏12月消費者信頼感(速報値) -22.2
前回-23.9
予想-22.0

——–12/20株式・債券・商品————————

日経平均 26568.03▼669.61
豪ASX  7024.269▼109.599
上海総合 3073.766▼33.349
英FT    7370.62△9.31
独DAX   13884.66▼58.21
NYダウ  32849.74△92.20

日10年債利回り 0.408%△0.153
豪10年債利回り 3.727%△0.194
英10年債利回り 3.596%△0.094
独10年債利回り 2.304%△0.101
米02年債利回り 4.2532%▼0.0025
米10年債利回り 3.6825%△0.0979

NY原油 76.09△0.90
NY金  1815.90△28.20

————12/21注目材料—————————-

<国内>
—– 12月月例経済報告

<海外>
06:45 11月NZ貿易収支
16:00 1月独Gfk消費者信頼感指数
22:30 11月カナダ消費者物価指数
22:30 7-9月期米経常収支
24:00 11月米中古住宅販売件数
24:00 12月米消費者信頼感指数
24:30 EIA週間原油在庫統計
27:00 米20年債入札

————12/21きょうのひとこと———————

日銀によるYCC修正は全くの予想外で、その衝撃も想像以上でした。ドル円は最大7円弱の下落で、1日の下落率としては1998年以来だとか。黒田日銀総裁は「これは利上げではない」と繰り返しましたが、市場は聞き耳を持ちません。海外勢からは、世界で唯一、金利を上げないと考えられていた日銀さえもが利上げに動いたと受け止められました。今回のYCC修正は、来年4月に任期が切れる黒田総裁の「終活」でしょうか。だとすれば、4月以降の新体制下では正常化がさらに進めやすくなったとの見方が広がっても不思議ではありません。

本日もよろしくお願いします。