総研ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(12/20 火)

日銀はゼロ金利解除で2度失敗 来春以降の過度な緩和修正期待はいずれ萎む公算

————-12/19ドル円相場————————

前週末17日の政府・日銀の共同声明改定を巡る観測報道で下落スタートも政府の否定で反発。米金利上昇も支えとなり137.163まで持ち直した。

OP135.867 HI137.163  LO135.751 CL136.923

———-12/19主な出来事—————————

11:14 松野官房長官(17日に報じられた政府・日銀の共同声明改定報道について)
「そのような方針を固めた事実はない」
「日銀には引き続き政府と連携して物価目標実現に向けて努力を期待」

17:25 デギンドスECB副総裁
「ECBのこれまでの利上げは不十分」
「ECBは0.50%の利上げを継続する」

18:00 ドイツ12月IFO企業景況感指数 88.6
前回86.3(86.4)
予想87.5

19:00 ユーロ10月建設支出(前月比)+1.3%
前回+0.1%(0.5%)

24:00 アメリカ12月NAHB住宅市場指数 31
前回33
予想34

——–12/19株式・債券・商品————————

日経平均 27237.64▼289.48
豪ASX  7133.868▼14.807
上海総合 3107.115▼60.743
英FT    7361.31△29.19
独DAX   13942.87△49.80
NYダウ  32757.54▼162.92

日10年債利回り 0.255%▼0.001
豪10年債利回り 3.533%△0.078
英10年債利回り 3.502%△0.173
独10年債利回り 2.203%△0.051
米02年債利回り 4.2557%△0.0774
米10年債利回り 3.5846%△0.1024

NY原油 75.19△0.90
NY金  1787.70▼2.30

————12/20注目材料—————————-

<国内>
—–  日銀金融政策決定会合
15:30  黒田日銀総裁会見

<海外>
09:30  RBA理事会議事要旨
16:00  11月独生産者物価指数
17:30  11月香港消費者物価指数
18:00  10月ユーロ圏経常収支
18:00  カジミール・スロバキア中銀総裁/ミュラー・エストニア中銀総裁講演
22:30  10月カナダ小売売上高
22:30  11月米住宅着工件数
22:30  11月米建設許可件数
24:00  12月ユーロ圏消費者信頼感指数・速報値

————12/20きょうのひとこと———————

日銀の「アフター黒田」を巡る観測報道が相次いでいます。松野官房長官は17日の報道を否定しましたが、火のない所に煙は立たぬといいますから、緩和修正期待があちこちでくすぶっていることは事実なのでしょう。ただ、日銀はこれまでに緩和解除で2度も失敗しています。2000年8月のゼロ金利解除直後にITバブルが崩壊。半年後にはゼロ金利に戻さざるを得なくなってしまったのです。2006年7月のゼロ金利解除も、翌年にはサブプライム問題が深刻化して2008年のリーマンショックへとつながるという、どうにも間の悪い利上げになってしまいました。海外経済の減速が見込まれている2023年に金融緩和を修正すると、2度あることは3度あるになってしまう可能性もありそうです。「アフター黒田」で誰が新総裁に就任しても、金融緩和の抜本的な見直しは難しく、せいぜい微修正にとどまるのではないでしょうか。海外勢を中心に盛り上がりつつある日銀の緩和修正期待は、しばらく円買い材料として意識されるかもしれませんが、最終的には期待外れに終わると見ています。

本日もよろしくお願いします。