総研ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(10/12 水)

介入警戒ゾーン上抜けで146円台へ 自国通貨買い介入が効きにくいワケ

————-10/11ドル円相場————————

ポンド売り・ドル買いの余波で145.896まで上昇も、介入警戒で9月高値145.906は超えられず

OP145.728 HI145.896  LO145.428 CL145.847

———-10/11主な出来事—————————

08:50 日本経常収支 +589億円
前回+2290億円
予想+1218億円

08:50 日本貿易収支 -2兆4906億円
前回-1兆2122億円
予想-2兆4283億円

10:45 鈴木財務相
「万が一過度な変動があれば適切に対応」
「為替動向は強い緊張感をもって注視する」
「日本の為替介入について各国の理解得る努力してきた」
「米側からも一定の理解得られた」

15:00 イギリス9月失業保険申請件数 2.55万件
前回0.63万件
15:00 イギリス9月失業率 3.9%
予想3.9%
15:00 イギリス8月失業率(ILO方式) 3.5%
前回3.6%
予想3.6%

22:04 IMF
「2023年の世界成長率予測を前回の2.9%から2.7%に引き下げ」
「一段のドル高となれば多くの新興国で債務問題が深刻に」

27:35 ベイリーBOE総裁
「年金基金に対するメッセージは、残されているのが3日」
「英国債の購入は金融安定化介入であることを明確にすることが非常に重要」
「市場への介入は一時的なもの、週末までに我々は手を引く」

——–10/11株式・債券・商品————————

日経平均 26401.25▼714.86
豪ASX  6644.986▼22.767
上海総合 2979.792△5.646
英FT    6885.23▼74.08
独DAX   12220.25▼52.69
NYダウ  29239.19△36.31

日10年債利回り 0.254%△0.002
豪10年債利回り 4.037%△0.169
英10年債利回り 4.443%▼0.029
独10年債利回り 2.298%▼0.044
米02年債利回り 4.3058%▼0.0020
米10年債利回り 3.94750%△0.0656

NY原油 89.35▼1.78
NY金  1678.70△11.40

————10/12注目材料—————————-

<国内>
08:50  8月機械受注
<海外>
15:00  8月英GDP
15:00  8月英鉱工業生産
15:00  8月英製造業生産高
15:00  8月英貿易収支
16:00  8月トルコ鉱工業生産
17:00  ハスケル英MPC委員講演
18:00  8月ユーロ圏鉱工業生産
20:00  8月メキシコ鉱工業生産
20:35  ピル英MPC委員講演
21:30  9月米生産者物価指数
22:30  ラガルドECB総裁講演
23:00  カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
24:00  クノット・オランダ中銀総裁講演
26:00  マン英MPC委員講演
26:00  米10年債入札(320億ドル)
26:45  バーFRB副議長、講演
27:00  FOMC議事要旨(9月20-21日分)
27:30  クノット・オランダ中銀総裁講演
—–  G20財務相・中銀総裁会議(ワシントン、13日まで)

————10/12きょうのひとこと———————

ドル円は前回の介入直前に付けた145.91円を上抜けて146円台へと上伸しています。上昇ピッチが緩やかであれば介入第2弾は発動できないのでは?との見方が増えてきたこともこのタイミングで高値を更新した一因と思われます。そもそも、自国通貨買い介入(円買い介入)は「外貨準備の範囲内」という制限があるので乱発しにくい措置です。日本の外貨準備は9月末時点で1兆2380億ドルと(減少したとはいえ)潤沢ではありますが、大半が米国債で保有されているため、介入で使うには米国債を売却して現金化(ドルキャッシュ化)する必要があります。介入のための米国債売却が利回り上昇を招き、ひいてはドル高を招くことにもなりかねません。そうなると、まさに自分で火を付けながら消化にあたる「マッチ・ポンプ」状態です。このほかにも、自国通貨買い介入には様々な制約があることは市場で広く知られています。自国通貨買い介入の成功率が低い=効きにくいのはこのためです。

本日もよろしくお願いします。