外為白書

外為白書2019-20(第11号)

外為白書の刊行によせて

2020年の世界は、新型コロナによる深刻な経済危機を経験しました。そうした中で各国は、従来とはスケールの異なる大胆な財政政策・金融政策を展開し、それが外国為替を含む資産市場に大きな影響を与えました。アメリカではトランプ政権に代わって民主党のバイデン政権が発足しました。そして日本円で200兆円に達するような巨額の財政政策を実施しようとしています。世界最大の国内総生産(GDP)を有するアメリカの財政政策は、言うまでもなく世界経済に大きな影響を与えます。新型コロナというパンデミックそのものの今後を占うことは難しいですが、同時にそこから生じた経済政策の変化が経済環境にどのように影響するのかにも、注目しなければなりません。そうした複雑な経済変動、とりわけ重要な資産市場としての外国為替市場の動向を考える上で、データに基づく実証的な分析は不可欠です。本書が皆様のお役に立つことを祈念しています。

特別研究主幹 竹中平蔵
「『外為白書2019-20』刊行によせて」より抜粋

外為白書とは

これまで「外国為替」の分野に限って言えば、経済・金融の一領域としての言及こそなされてきたものの、それ自体を主題とした「白書」については長らく不在の状況が続いておりました。 その一方で為替相場、とりわけ米ドル/円相場の動向は、輸出入企業の業績への影響はもとより、近年では個人投資家による FX(外国為替保証金取引)や外貨預金ほか外貨建て取引の活発化に伴い、いまや企業・個人の枠を超えた国民的関心事とまでなりつつあります。

外為どっとコム総研はこうした情勢に鑑み、1年間のデータの蓄積とその解析を経て「外為白書」を発刊しております。

内容は主に4つに分けられ、

  1. ①主要通貨ペアの毎月の価格変動とその背景についての記録
  2. ②特集「米国経済のあゆみと日・中・欧の焦点」
  3. ③外国為替保証金業界の各年度の歩みの記録
  4. ④顧客調査に基づくFX投資家層の相場観の変遷や取引実態の記録

となっています。

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本書の特長

  • 2019年7月から2020年12月までの4通貨ペアの値動きを網羅
  • 特集「マーケットイシュー」
  • 外国為替保証金業界の各年度の歩みの記録
  • 外為どっとコム顧客調査に基づくFX投資家層の相場観の変遷や取引実態の記録

目次

  • 2P-外為白書2019-20の刊行によせて
  • 3P-目次
  • 5P-第1章 2019年7月~2020年12月の相場のあゆみ
  • 6P-マンガで解説!ベレーちゃんのイヤリービュー
  • 15P-ドル/円相場
  • 35P-ユーロ/円相場
  • 55P-豪ドル/円相場
  • 75P-ポンド/円相場
  • 95P-第2章 特集「マーケットイシュー」
  • 96P-コロナに翻弄された2020年の金融市場
  • 98P-米大統領選がマーケットに与えた影響
  • 102P-2020年コロナ・ショック 悪夢の米4月雇用統計
  • 104P-FTA合意交渉から振り返る「英国」と「EU」の関係
  • 108P-香港国家安全維持法と香港の変容
  • 112P-最安値からの急反発 トルコリラの1年
  • 116P-外為トレーダー統計
  • 121P-第3章 業界のあゆみ
  • 127P-第4章 FX投資家アンケートによる実態調査
  • 128P-第1節 アンケート調査の概要
  • 130P-第2節 FX投資家層の相場観の推移
  • 135P-第3節 FX投資家層の取引実態調査
  • 141P-第4節 FX投資家層の取引実態調査-特別質問-
  • 145P-おわりに
  • 146P-編集後記
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