外為白書2023(第14号)
外為白書の刊行によせて
今年も、「外為白書」発行の季節を迎えました。日本で唯一の外国為替専門研究機関である外為どっとコム総合研究所は、2009年の設立以来毎年この白書を発行してまいりました。変動する外国為替市場を多角的に、そして継続的に見るための指針として活用されることを目指しています。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来、世界経済のメカニズムは大きく変化しました。エネルギー価格の上昇が引き金となって各地でインフレが進み、その結果主要国の金融引き締めが続いたのです。当然のことながら、金融政策の変更は、資産市場に大きな影響を与えます。資産市場の代表である不動産、株式、債券はもちろんのこと、外国為替市場にも大きなインパクトがもたらされました。この白書は、こうした世界の大きな構造変化について、為替市場を通して深く分析するための貴重な拠り所にもなると確信しています。
特別研究主幹 竹中平蔵
「『外為白書2023』刊行によせて」より抜粋
「『外為白書2023』刊行によせて」より抜粋
外為白書とは
これまで「外国為替」の分野に限って言えば、経済・金融の一領域としての言及こそなされてきたものの、それ自体を主題とした「白書」については長らく不在の状況が続いておりました。 その一方で為替相場、とりわけ米ドル/円相場の動向は、輸出入企業の業績への影響はもとより、近年では個人投資家による FX(外国為替保証金取引)や外貨預金ほか外貨建て取引の活発化に伴い、いまや企業・個人の枠を超えた国民的関心事とまでなりつつあります。
外為どっとコム総研はこうした情勢に鑑み、1年間のデータの蓄積とその解析を経て「外為白書」を発刊しております。
内容は主に4つに分けられ、
- ①主要通貨ペアの毎月の価格変動とその背景についての記録
- ②その年の特徴的なテーマに焦点をあてた特集
- ③外国為替保証金業界の各年度の歩みの記録
- ④FX投資家層の相場観の変遷や取引実態の記録
となっています。
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本書の特長
- 2023年1月から2023年12月までの4通貨ペアの値動きを網羅
- 特集「2023年の各マーケットを振り返る」
- 外国為替保証金業界の各年度の歩みの記録
- 外為どっとコム顧客調査に基づくFX投資家層の相場観の変遷や取引実態の記録
目次
- 3P-『外為白書2023』刊行によせて
- 5P-目次
- 7P-第1章 2023年1月~2023年12月の相場のあゆみ
- 8P-マンガで解説!ベレーちゃんのイヤリービュー
- 18P-ドル/円相場
- 30P-ユーロ/円相場
- 42P-豪ドル/円相場
- 54P-ポンド/円相場
- 67P-第2章 特集「2023年の各マーケットを振り返る」
- 68P-2023年日米欧の債券市場を振り返る
- 72P-2023年株式市場の1年を振り返る
- 76P-FOMC年間総括 7つのポイント
- 82P-2023年のECB 大幅利上げの軌跡
- 86P-2023年日銀の金融政策~植田新総裁のまなざし~
- 90P-トランプ候補の返り咲きで米国経済に起きること
- 93P-第3章 業界のあゆみ
- 99P-第4章 2022年FX投資家動向
- 100P-第1節 外為どっとコム社における個人投資家動向調査
- 109P-第2節 FX個人投資家のアンケート調査
- 114P-外為どっとコム総研2023年活動報告
- 117P-おわりに
- 118P-編集後記