総研ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(8/1木)

日銀タカ派サプライズとFRBハト派シグナルで「どこまで下げるか」が焦点に クロス円はいずれ円売り再開を期待

———–7/31ドル円相場————————–

日銀リーク通りの利上げで153.875まで反発も植田総裁タカ派化で反落 FRBハト派化で4カ月半ぶりに149.609まで下落

OP152.731 HI153.875  LO149.609 CL150.036

———-7/31主な出来事—————————-

10:30 オーストラリア6月小売売上高(前月比) +0.5%
前回+0.6%
予想+0.2%

10:30 オーストラリア6月消費者物価指数(前年比) +3.8%
前回+4.0%
予想+3.8%
10:30 オーストラリア6月CPIトリム平均(前年比) +3.9%
前回+4.0%
予想+4.0%

12:57 日銀、政策金利を0.25%に引き上げ
「現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、今回の「展望レポート」で示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」

15:30 植田日銀総裁会見
「利上げの理由は経済・物価がオントラック」
「円安は必ずしも今回の利上げの最大の要因ではない」
「円安による想定以上の物価押し上げは、重要なリスクと認識
「経済・物価見通しに沿って動けば、引き続き金利上をげていく」
「0.5%という政策金利水準(を壁として)、特に意識しているわけではない」

18:00 ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)・速報値(前年比) +2.6%
前回+2.5%
予想+2.5%
18:00 ユーロ圏7月コアHICP・速報値(前年比) +2.9%
前回+2.9%
予想+2.8%

21:15 アメリカ7月ADP雇用統計(前月比) +12.2万人
前回+15.0万人(15.5万人)
予想+15.0万人

21:30 カナダ5月GDP(前月比) +0.2%
前回+0.3%
予想+0.1%

21:30 アメリカ4-6月期四半期雇用コスト指数(前期比) +0.9%
前回+1.2%
予想+1.0%

22:45 アメリカ7月シカゴPMI 45.3
前回47.4
予想45.0

27:00 FOMC、政策金利を5.25-5.50%に維持
「ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向け、さらにいくらかの進展が見られた」「委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない」
「委員会は2つの責務の両面に対するリスクを注視している(インフレリスクを大いに注視から修正)」

27:30 パウエルFRB議長記者会見
「労働市場が冷え込むにつれてインフレが予想外に加速するリスクは低下した」
「労働市場の下振れリスクは、今や現実のものとなっている」
「今後の会合について何も決めていない」
「9月に利下げが検討される可能性がある」
「金利引き下げの段階に近づいている」
「広い意味では近づいているが、まだその段階には達していない」

———-7/31株式・債券・商品———————-

日経平均 39101.82△575.87
豪ASX  8092.333△139.156
上海総合 2938.749△59.449
英FT   8367.98△93.57
独DAX  18508.65△97.47
NYダウ  40842.79△99.46

日10年債利回り 1.056%△0.052
豪10年債利回り 4.1152%▼0.1644
英10年債利回り 3.970%▼0.073
独10年債利回り 2.304%▼0.036
米02年債利回り 4.2575%▼0.1010
米10年債利回り 4.0296%▼0.1098

NY原油 77.91△3.18
NY金  2473.00△21.10

———–8/1注目材料—————————–—

<国内>
08:50  対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
10:30  4-6月期豪輸入物価指数
10:30  6月豪貿易収支
10:45  7月財新中国製造業PMI
15:00  7月英ネーションワイド住宅価格指数
16:00  7月トルコ製造業PMI
16:50  7月仏製造業PMI改定値
16:55  7月独製造業PMI改定値
17:00  7月ユーロ圏製造業PMI改定値
17:30  7月英製造業PMI改定値
18:00  6月ユーロ圏失業率
20:00  BOE政策金利
20:00  英中銀MPC議事要旨
20:30  ベイリーBOE総裁、記者会見
20:30  7月米チャレンジャー人員削減数
21:30  4-6月期米非農業部門労働生産性・速報値
21:30  4-6月期米単位労働コスト・速報値
21:30  前週分の米新規失業保険申請件数
22:45  7月米製造業PMI改定値
23:00  7月米ISM製造業景況指数
23:00  6月米建設支出
24:00  7月メキシコ製造業PMI
25:00  ピル英MPC委員兼チーフエコノミスト、講演

———–8/1きょうのひとこと———————-

日銀の利上げは前日のリーク報道で想定済みでしたが、植田総裁の追加利上げに前向きな発言が多くの市場参加者にとってサプライズとなり、これをきっかけに円を買う動きが強まりました。一方のFRBはインフレ警戒の姿勢を改め、雇用下振れ警戒の姿勢を強調。つまり、これまでの高金利維持のスタンスから、利下げに軸足を置くスタンスにはっきりと修正した形です。ひとまずは、日米金利差縮小観測を背景にドル買い・円売りポジションの巻き戻しが続きそうなムードで、ドル/円は「どこまで下げるか」が焦点となりそうです。ただ、日銀の追加利上げ観測があるにせよ円は相対的な低金利通貨であることに違いはありません。利下げ期待で堅調な米国株を見ると、近いうちにクロス円を中心に円売りが再開すると見られ、その影響でドル円も下げ止まるのではないかと考えています。

本日もよろしくお願いします。